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見上 隆志*; 中野 正憲*; 柴田 卓弥; 瀬古 典明
設備と管理, 47(4), p.95 - 99, 2013/04
福島第一原子力発電所の事故により飛散し、森林や草木に付着した放射性セシウムが、生活用水(上水)などに利用されている井戸水や沢水などの水路へ時間の経過とともに混入することが懸念されている。そこで、極微量で水中に溶存するセシウムを捕捉可能な材料として、ポリエチレン製不織布繊維に、セシウムと親和性の高いリンモリブデン酸基を電子線グラフト重合技術により導入した吸着材(フィルター)を開発した。80Bq/kgのセシウムが検出された井戸水を用いて除去性能評価を行ったところ、開発したフィルターは市販ろ過膜やイオン交換ろ紙で除去できずに残存したセシウムを検出限界以下まで除去することができた。この開発したフィルターを食品衛生法,水道法による監視項目を満たすフィルターに改良して、浄水器に組み込んで供給することが可能になった。